こんにちは、リストランテ サワダのホール担当サワコです。
先日これまで出会った中で一番のブショネと遭遇しました。
扱ったのはトスカーナのヴィンテージワイン
( 誤解に繋がるといけないので、詳細は伏せさせて頂きます )。
ご注文を頂きキャップシールを剥がすと(あれ?何かコルクの表面が湿ってる?)
いつもと違う状態にやな予感。
続いてコルクにスクリューを刺していくと、スカスカで手応え皆無(これは初体験)。
これだけの状況ではワインが健全か否かを判断することが出来ず、取り敢えずコルクを抜く事に専念。
瓶口にフックを引っ掛けて、いざ引き上げ。
ボロッ…、ボロロォ…『 Σ(|▽|;)ひっ!!』
スクリューを刺した部分が崩れて、今にも折れそう(そして抜けない;)
軽く深呼吸しながら慎重に、シンチョウに引き上げ….ボキッ(あ′′ぁ′′っ′′)。
コルクが折れました(平静を装うも、背中の汗が止まりません;;)。
これはアカン、健全じゃ無い可能性が高い。気がする(多分)。
飲めない可能性があるワインとこれ以上格闘して、お客様を待たせるわけにはいきません。
このボトルには見切りをつけて、次にいこう。
『 どうもワインの状態が健全ではない可能性がある 』ことをお伝えするとともに、お待たせしていることへのお詫びをして(ワインへの造詣がとても深いお客様で、状況から何となく察しておられました)、直ちに同じ銘柄&ヴィンテージのボトルをご用意させて頂きました(在庫があって良かった!)
次こそは無事でありますように!!と、内心で祈祷。
幸い2本目は難なくスポンと抜栓(これこれ♪こうでなくちゃ♪。コルクの状態も大丈夫そうだ♪)。
テイスティングをお願いする際にグラスへ少量注いだ時も、果実感たっぷりでとっても良い香り。
大丈夫でした(^^)v
この後、隙を見付けてブショネ(仮)の状態を確認してみました。
やっぱり抜けないボロボロコルクは瓶の中に落して、いざテイスティング。
グラスに注ぐと もわぁん と湿気を帯びたような心地よくない臭い(ちょっと残念な臭いがする、生乾きの洗濯物みたいな)。
続いて口に含んでみれば飲めない事はないけど、口当りの悪さと飲み込みずらさから、次の一口へと気が進まない味わい。
営業終わりに最後にもう一度だけ確認してみると、空気に触れた事で香りが開いて一段と分かりやすくなった不快臭。
これまでもうっすらと「ブショネかな?、ぽい」という事はあったけど、今回ほどハッキリした特徴を示すものに出会ったのは初めて。
さすが長期熟成向きなワインということでしょうか?、不快臭ですら力強い。
10年以上の時を経てきたワインをこのまま破棄するのも忍びなく、スパイスやアマレットを加えて何とか飲めるようにならないかと考えました。
けど、ワインに溶け込んだカビなどからくる不快臭はどうにもならず、泣く泣く流しへドボドボと破棄(TmT)。
長期熟成ワインに使われている事が多い、天然コルク。
リスクは伴うけどそれでもワインを開ける時に感じられる、色んな思いや期待を抱ける瞬間が楽しくて好きだから、懲りない。
今回学んだことは《 天然コルクが使われているであろう長期熟成タイプのワインは、在庫を複数もっておくと、いざという時安心 》ということでした。
ブショネ(コルク栓のカビなどから起こる、品質劣化による不快臭)