(土壌)
バローロの作り手、ロッケ・デイ・マンゾーニが位置するランゲ地方は、遙か昔に遡ると海底だった所が隆起して出来た土地。ということもあって畑の土は白っぽい見た目どおりの、石灰質土壌(今も畑を掘ると貝の化石が出てくるそうです)。尚且つ土地が痩せていて農作物を育てるには向いていないけれど、ことブドウ、とりわけネッビオーロというブドウ品種を育てるには好条件。
土壌のもう一つの特徴が、鉄分の含有量。根から吸い上げた水分に溶け込んだ鉄分を養分として育ったブドウは、タンニンがしっかりした果実に成長。ロッケ・デイ・マンゾーニの作り出すバローロがどうしてこれほど力強いタンニンを有するのか、土地の特性を知る事で理解できました。
(環境への配慮)
ロッケ・デイ・マンゾーニのブドウ栽培は、全て自然農法(ビオロジコとかビオディナミ)。この取り組みに協力してもらっているのが鳥とコウモリ。害虫対策に農薬を使わず、お昼間に出る虫は鳥にハンティングしてもらい、夜に活動する最も危険な虫(一体何だろう?)はコウモリに狩ってもらってるそうです。大切な協力者に居着いてもらうための人口池まで作ったりと、
この後、サワコがふわっと疑問に思っていた(痩せた土地が理想的なら、肥料は必要無しってことでいいのかな?)がおもむろに解決。
ロドルフォさん「土に栄養を与える時は、牛糞を使用しています」(使ってた!)。
以前は買ってきた牛糞肥料を使っていたけど、それに疑問を感じた現在は牛を50頭ほど飼い始めて、肥料を自前で調達するこだわりっぷり。肥料として使うには成分が強い牛糞。それが「2~3年天日干しにすることで抜けて使えるようになります」と説明があったのですが、なんて根気のいる活動。自然への優しい配慮を強く感じます。
(醸造)
バローロの香りと言えば、熟成期間中に加わる樽由来の複雑で奥深いアロマ。ブドウだけでは体感出来ない素晴らしい香りです。ですがバリック導入先駆けのロッケ・デイ・マンゾーニは思うのです「樽を使うとブドウに本来含まれない要素が加わるのが、嫌なんだよね」と。
けれど酸味とタンニン豊富なネッビオーロというブドウから作ったワインを、空気接触と共に循環させることはワインの成長を促す為には樽での熟成はとても大切。
「嫌なんだよね」と感じてからどれくらい経ってからなのかわかりませんが、当主は「これだっ!」という解決策を2008年にフランスのブルゴーニュで見付けました。砂と水から出来た『卵形』のセメントタンクに。
法律で定められている木製樽での法定熟成期間を経た後、卵形のセメントタンクに移し替えると木樽で付いた香りを取り除くことができるんだとか。
効果はそれだでに留まらず、卵の形状だからこそ自然と生み出される液体流動。それは目視出来ないくらいゆーーーーっくりしたものだけど、タンクの中でワインは確かに循環して熟成される。
こじつけかも知れませんが、ワインの味同様パワフルなワインの作り手、ロッケ・デイ・マンゾーニ。これからの活動にも目が離せません。
余談?
ロッケ・デイ・マンゾーニの地下ワインカーブは、超ゴージャス!(写真を初めて見た時は、宮殿内部かと思いました)。地上には大きなプールもあって(リッチ~)なんて思ってたら、何とこのプールは地下ワインセラーの真上にあって、外気の影響が地下へ及ばないための役割でした(何かスミマセン)
Fin