2024年2月末
コロナもあって8年振りの開催となる、ワイン生産者来日セミナーに参加させて頂きました。
作り手は、北イタリア ピエモンテ州のロッケ・デイ・マンゾーニ。イタリアを代表する偉大なワイン、バローロの革新者です。
元はエミリアロマーニャ州でお母様がシェフを務めるレストランを家業とされていましたが、「自分達の店で出すワインを作りたくて」と先代の(故)父ヴァレンティーノさんがピエモンテでワインを作り始めたことが、ワイナリー設立のきっかけ。
先代当主ヴァレンティーノさん、ワイン作りにのめりこんでいく中で「自分が作りたいものは何か?」と考えるようになり(めっちゃ共感)、行き着いた答えが「イタリアで最も偉大なワイン、バローロを作りたい」。
そんな時に1700年代の建物が残るモンフォルテ ダルバに土地が売りに出され「めっちゃ良い土地やん!」と購入。エミリアロマーニャ州にあるレストランは奥様に任せ、ヴァレンティーノさんはピエモンテ州に移住しちゃいます。かくして始まった新たなワイン造りでしたが、当時のピエモンテ並びにバローロのワイン作りはとても保守的。けど他州出身者のヴァレンティーノさんにとっては、「良いブドウを育て、ブドウの個性を活かした美味しいワインを作る」事こそが大切だったから伝統的な作り方に囚われる事が無く、新しい方法にどんどんチャレンジ。
この出来事を現当主であり息子さんのロドルフォさは、「私達にとって幸運だったことは、ピエモンテ出身じゃなかったことです」と仰られたことが印象的でした。移住先の地域でワイン作りに携わる生産者は、とても保守的だったそうです。その中で伝統的な製法に囚われない取り組みをするヴァレンティーノさんのの取り組みは、とても懐疑的でした。
それまで一般的とされてきたバローロの大樽熟成を小樽のバリックでしたり(かの有名なバローロボーイズが氏の元を訪れ、バリックの使い方を請うてきたというのだから、本当にバローロの革新者ですね)。他にもネッビオーロは単一品種でのみ作られてきたところに、バルベーラ種合わせたり(ネッビオーロとバルベーラの混醸は、他の生産者に最もコピーされたそうです)。
ヴァレンティーノさんの発想力と行動力が生んだ、バローロの革新。これを「新しい風を吹き込めた」と語るロドルフォさんのお顔が又印象的でした。ロッケ・デイ・マンゾーニでは現在進行形で、ブドウの個性を活かした美味しいワイン作りへのチャレンジは続いていて、225Lのバリックより更に小さな50Lの樽での熟成を試みたりと、チャレンジ精神がしっかり受け継がれています。
つづく